不安障害(社会不安障害・パニック障害)
不安障害(社会不安障害・パニック障害)
パニック障害や社交不安障害、全般性不安障害、閉所恐怖症や先端恐怖症などの総称を不安障害(不安障害群)と言います。不安障害はうつ病や躁うつ病(双極性障害)といった他の精神疾患を合併するケースも多いため専門とする医療機関で適切な診断、治療導入が重要です。
我々は日常生活の中で予期せず不安や緊張が高まる場面に遭遇することがあり、不安や緊張から動悸や息苦しさ、発汗、のぼせ感といった不快な自律神経症状が出現します。あまりにもその出現頻度が多い場合や、理由なく不安緊張がマックスの状態となってしまう場合は治療が必要となってきます。不安障害=パニックといったイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、体に起きている種々の自律神経症状がパニック発作なのか、あるいは病気ではなく単に“パニくってしまっている状態”なのか見極めが必要です。パニック発作は様々な不安障害で起こり得る反応ですので正しい診断、疾患に応じた対処が必要となります。治療は基本的にSSRIと言われる抗うつ薬・抗不安薬をベースに内服し、発作が起きたとき、あるいは発作が起きそうなときに追加で安定剤と言われるような即効性のある薬を使用していきます。長期的に薬は飲みたくないけど、人前での発表やプレゼンが控えている場合、海外出張があり飛行機の離着陸が怖い、公共交通機関を利用する時に体調が悪くなる、MRIの検査が怖い、そういった場合であっても個々の状況に応じて薬の調整や対処法をレクチャーいたします。当クリニックでは平日は勿論、土曜日や日曜日も診療することで、いつでも困った時にすぐに初診を受け入れることができる体制としていますので、困った時いつでもご相談ください。
著名人の方がパニック障害で治療していると告白するケースもあり身近な疾患となっています。突然、理由無く、不安感や「このまま死んでしまうかもしれない」といった恐怖感が襲ってきて、同時に動悸や息切れ、窒息感、めまいや吐き気、発汗、手足の震えといった自律神経症状を伴う発作が起こります。発作は飛行機や新幹線、快速列車など逃げ場が無い閉鎖空間や、高速道路や幹線道路の運転中など路肩に車を寄せて休憩ができない場面で起きやすいことが知られています。意外な場面としてはドレープをかけられる美容院や、歯科医院、ネイルサロンなど発作が起きた際にその場面からすぐに離れることができない状況でも見られます。一度発作が出現した場面やシチュエーションは回避傾向となり、結果として日常生活に支障が出ている状態がパニック障害です。適切な薬物療法や行動療法を行うことで制限の無い生活を取り戻すことができます。
社交不安障害は別名、社会不安障害、社会恐怖とも言い、人前での発表やプレゼン、朝礼といった多くの他者から注目が集まるような状況で、強い不安や恐怖、緊張を感じ、何か失敗して自分が恥をかくのではないかという心配や強い不安を感じ、学業や仕事に支障が生じている状態のことを指します。性格の問題と混同される場合もありますが、社交不安障害ではそれらの行動に強い苦痛を感じます。人前で恥ずかしい思いをするのではないかと不安や緊張したりすることはごく自然なことです。しかし、社交不安障害は必要以上に不安や緊張の度合いが大きく、動悸や息苦しさ、喉の詰まり感、紅潮や発汗、震え、腹痛などの症状が発作として強く現れる場合があります。さらに、このような症状がまた出てしまうのではないかという不安や恐怖が強くなって、外出や人と会うことを避けるようになります。その結果、登校拒否や出社拒否、人が集まる活動への参加を控えるなど、日常生活を避けるようになってしまいます。SSRIと言われる抗うつ薬・抗不安薬と言われる薬を内服し、不安を全体的に底下げし、不安や緊張に伴う発作の出現頻度を減らし、悪循環を断ち切るサポートをする必要があります。
毎日の生活の中で対象が定まらない漠然とした不安や心配が持続している状態です。自分に関連したことだけでなく家族に関した心配事や、戦争や自然災害に関連した不安感など自分ではコントロールできない対象への不安感が持続することが特徴です。常に不安感が高まった状態が続くことで疲労感や筋緊張が取れず慢性的な倦怠感が出現します。動悸や息苦しさ、めまい、のぼせ感、手足のしびれ、口渇、咽頭異物感などの自律神経症状が出現することもあり、日々のパフォーマンスを著しく低下させます。SSRIと言われる抗うつ薬・抗不安薬と言われる薬を内服し、漠然とした不安感や心配を減らすことで疲労感や倦怠感、自律神経症状を軽減させることができます。
強迫性障害(OCD)は、自分でも無意味、ばかばかしいとわかっていながら、何度も同じ確認などを繰り返してしまう状態です。外出の際に火の元、電気、玄関の鍵閉めの確認に時間がかかってしまい、外出に時間がかかってしまうケースや、身の回りが菌やウイルスに汚染されていて消毒や手洗いを止めることができないケースが強迫性障害でよく見られます。すれ違った人に肩がぶつかっていないか、運転している車が接触して怪我をさせてしまっていないか一度気になると頭からそのことが離れなくなるケースもあります。他にも自分の中で仕事や家事の手順が決まっていて、その手順通りに取り組まないと不安が強くなったり、一種の儀式めいたことが止めれないケースもあります。
背景には払いのけることができない不安の種があり、この不安を薬物療法で軽減させることで頻回の確認行動を改善させることができます。適切な薬物療法や行動療法を行うことで制限の無い生活を取り戻すことができます。
不安障害は心配性や個人の性格の問題では無く、脳の中でセロトニンという我々が幸せと感じる役割を持つ脳内のホルモンが減少していることが原因で起こります。疾患の理解や行動療法を実践することが重要ですが、同時に脳内のセロトニンを増やす薬物療法を併用していくことがより効果的です。社会的な損失も多く、悩んでいる方も多いかと思います。当クリニックでは患者様がつらいと感じた時にすぐに受診できる医療機関です。直近で不安や緊張が高まる、パニックを起こしてしまいそうなイベントが控えていて、今すぐに対処して欲しいといった要望にも対応いたしますのでいつでもご相談ください。